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濡れた花嫁①

  「濡れた花嫁①」

 披露宴のメインイベントとも言える、ケーキの入刀が終わった。新郎、新婦は、これから、キャンドル・サービス用のお色直しをするために中座しなければならない。

 新婦のみさとは、浮かない顔をしたまま、ホテルの職員に促されて会場を出た。 新郎の幹夫が

「大丈夫?」

 と声をかける。 みさとは少し、うなずいて、幹夫に背を向けた。

 あの男が会場にいるのに気がついたのは、入刀式の前だった。呼んでもいないのに、ちゃんと礼服を着て、会場の片隅に居たのだ。その男とは・・。

 今年、この縁談がまとまるまでの4年間、不倫関係にあった男だった。 英会話スクールで知り合った彼は、歳は10いくつも上で、妻子持ちだった。

 そんなに性体験のなかったみさとに、本当の性の歓びを与えてくれたのが、彼だった。彼は、失恋直後で傷心のみさとに、言葉巧みに言い寄って、みさとの心と身体をわがものとしたのだ。

 チャンスさえあれば、密会して交わった。 みさとの体は彼によって開発され、責められれば何度でも絶頂を味わえるようになった。

 道具を使っての変態的なプレイや、やや過激なSMプレイもやった。 刺激をもとめて、海辺とか公園とか、外でもよく交わった。 みさとは、彼とは体の相性がぴったりだと思った。

 しかしそういう関係も、4年も経ったら、お互いに飽きがくる。母親の持ってきた縁談を契機に、ここらあたりが潮時かと別れ話を持ちかけたら、彼があっさりOKしたのだ。

 あとで聞いた話によると、新しい不倫相手が出来たかららしかったが、もう、そんなことはどうでも良かった。それからまもなく彼は、みさとの前から完全に姿を消したのだった。

 その彼がこの披露宴会場に来ている。 どういうつもりだろう。 まさか、昔の映画みたいに、みさとを奪いにきたわけでもないだろう。 不安を抑えながら、着替えをする部屋に入った。

 中には着付けの係員がいて、トイレに行くなら、今のうちに行ったほうがいいでしょうと言う。 それもそうだ、と思い、みさとは純白のウェディングドレスを脱ぐと、下着の上にガウンを羽織って、部屋を出、すこし歩いて突き当たりにあるトイレに入った。

 すると、男子トイレから出てきた何者かに、後ろから羽交い絞めにされ、口を押さえられた。

「!!!」

濡れた花嫁

 そのまま、男子トイレにひきずりこまれ、奥の個室に押し込められた。

「おとなしくするんだ」

 背後の男の声は、紛れもなく、彼のものだった。

「騒げば、俺も会場で、お前との過去を洗いざらい喋ってやるからな」

 みさとはその言葉で全身から力を失った。

「な・・なんのつもりなの?」

 小さい声でみさとが咎めるように言うと、彼は、

「お前から別れ話が出たときから、思ってたんだ。お前の結婚式の最中に、花嫁のお前としたら、最高に燃えるだろうってな」

 平然と、そんなことを言う。

「ね、お願い、やめて頂戴。したいなら、新婚旅行から帰ったあとに時間をつくるから、ね?今だけは勘弁して」

「今、することに価値があるんだよ」

 彼は、そう言うと、みさとの着ていたガウンを脱がせた。 下着のみの姿があらわれた。

「久しぶりだ。あいかわらず、そそる体をしているな。」

 そういって、みさとの唇を奪った。 舌を差し入れてくると、習慣のようにみさともそれに応じて、舌を絡ませる。

 そうしながら、パンティの中に手を突っ込まれ、秘部をいじられていると、ずぼっと中指が中に入った。

「あ、ああああ・・・」

「なんだ、びしょびしょに濡れているじゃないか」

 彼が、あきれたように言った。 彼の指は、そのまま、ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てて、みさとの膣の中を掻き回す。

 みさとはやっとの思いで、彼のディープキスから逃れると、懇願するように言った。

「ねえ、お願い、時間がないの。するのなら、急いで」

「よし、うしろを向くんだ」

 みさとは便器をまたがるようにして、彼に背を向け、前の壁に手をついた。 付き合っているとき、よく、トイレの中で交わったものだ。

 だから、要領は心得ていた。 彼はうしろでしゃがみこむと、みさとのパンティを引き降ろした。 ぷりぷりとした形の良い尻があらわれた。

「相変らず、いい眺めだ。お○んこ、ちょっと黒くなったんじゃないか?」

「い・・嫌・・」

 彼は、笑いながら、人差し指を水平にすると、すっと前に突き出した。 ぶちゅっ、と音がして、濡れそぼった穴の中に、指が抵抗なく呑み込まれる。

「ああん!」

 みさとが一声、鳴いた。それから、尻を両手で掴み、左右におし拡げると、舌を差し入れる。

「ふうんっ」

 みさとは鼻から息を出し、壁についていた手から力が失われそうになる。

「ねえ、お願い、そんなことしてる時間はないの。早く」

「早く・・・なんだい?」

「早く・・・入れて」

 彼は立ち上がり、熱く猛り立ったものを、みさとの膣口にあてがう。そして、いつもしたように、ゆっくりと亀頭でクリトリスを刺激し、アヌスを撫でる。 どこをどうしたらみさとが喜ぶか、熟知しているのだ。

 みさとの息遣いは激しくなり、可愛いよがり声が、ためらいがちに 洩れはじめる。頃合を見はからって、彼は、一気にちんぽをみさとにぶちこんだ。

「・・・・!!」

 声を必死に押し殺す。 彼は、狂ったように突きまくる。 あまりの気持ち良さに出そうになるよがり声を抑えるのは大変だ。 みさとは、耐えた。 喉の奥で、「くううううう~」と呻き続けた。

 彼と交合を繰り返していた頃も、これほどの快感はなかった。結婚式の最中に、過去のセックスフレンドと式場のトイレで、動物のように交わる。

 これ以上の背徳はないかもしれない。 背徳が齎す快感は、凄まじかった。

「くうううううううう・・・!!」

 容赦なく突いてくる彼の攻撃に、たまらず、みさとは何度も身体を震わせてイッてしまった。 ぶるぶると震えるみさとの尻をピシャンピシャンと叩きながら、彼の絶頂も近づいている。

「うう、出そうだ・・」

「待って、下着を汚さないで。みさと、人前で着替えなければならないのよ」

 彼はちんぽをみさとから引き抜いて、切迫した声で言った。

「口でしてくれ」

 みさとは向き直って、彼の前にしゃがんだ。そして、目の前のちんぽを掴むと、ぱっくりと咥える。 口ピストンを5,6回で、彼は、みさとの口中に、精液をぶちまけた。

 それをゴクリ、と飲み込み、またちんぽを咥えると、最後の一滴も残すまいと、ちゅうちゅう吸った。

「これで終わりね。さあ、戻るからそこをどいて。遅いって騒ぎ始めてる頃だわ。誰かここに来ないうちに、早く」

「まあ、そう焦るな!」

 彼は、にやり、と笑った。そして、内ポケットからあるものを取り出した。 よく見ると、それはピンクのローターだった。

「これはな、コードレスのリモコン式ローターだ。高かったぜ」

「そ、それをどうするのよ」

「お前のあそこに入れたままで、式に戻ってもらう」

 今度は真顔で、そう言った。

 つづく

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Author:美里 星菜
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